重度の歯周病
重度の歯周病(歯槽膿漏)とは、歯周ポケットの深さが6㎜以上の状態です。歯を支える歯槽骨が大きく溶けることで、歯が抜け落ちるリスクが高まります。
重度の歯周病の症状
- 歯ぐきが真っ赤に腫れる
- 出血や膿がでる
- 歯がぐらついてものが噛めない
- 強い痛みがある
- 口臭がきつい
- 歯が長くなった
重度の歯周病の治療方法
重度の歯周病の治療では、中等度の歯周病と同様に高度な治療が必要です。患者さんの状態やご希望を踏まえ、適切な治療計画を立ててまいります。歯周組織の回復を促す治療法もありますが、重度の症状によっては改善が期待できない場合があります。その場合は、やむを得ず抜歯を行うこともあります。
ルートプレーニング
ルートプレーニングとは、歯周ポケットの奥深くにある歯石や汚染されたセメント質をキュレットという器具で取り除く処置です。
歯周外科治療
歯茎を切開して歯根を露出させ、目視で歯周ポケットの奥深くにある歯垢や歯石を取り除く治療です。歯肉の形態を整えて、歯周ポケットを浅くすることで歯周病の再発リスクを軽減します。
歯周組織再生療法
歯周組織再生療法は、骨が回復するスペースを作ったり歯周組織の再生を促す薬を塗布したりする治療法です。再生に必要な細胞を誘導するエムドゲイン、GTR法、骨補填剤など、さまざまな方法の中から患者さんに適したものを選択します。
レーザー治療
歯周ポケットにレーザーを照射することにより、歯周ポケット内の歯周病菌を減らすことができ、歯茎の炎症や出血を抑え、膿の排出を促進する効果があります。痛みも少なく歯周ポケットの奥深くまで殺菌することができます。
歯周補綴
歯周病が進行して歯を支える歯槽骨が破壊されると、歯が揺れるようになります。歯周補綴は、揺れている歯を被せ物を用いて繋ぎ合わせることで歯を安定させる治療法です。
抜歯
重度の歯周病では、歯を支える歯茎や歯槽骨が大きく破壊されているため、放置すると歯が抜け落ちてしまいます。歯周組織再生療法や基本治療を用いて、なるべく歯を抜かずに済む方法を模索しますが、どうしても抜歯しか選択肢が残されていない場合は、患者さんの同意を得たうえで抜歯します。例えば、歯の根の先まで歯垢・歯石が付着しており取り除けない場合は、抜歯せざるを得ないことがあります。