ホワイトニングは白く美しい歯を手に入れるための方法として人気があります。しかし、いざ調べてみると「ホワイトニングはしない方がいい」「危険だ」「後悔した」といったネガティブな情報を耳にして不安になっている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ホワイトニングをしない方がいいと言われている理由・ホワイトニングのリスクから、ホワイトニングのメリットまで幅広く解説しています。
ホワイトニングがおすすめできない人の特徴も詳しく紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
ホワイトニングはしない方がいいのか
ホワイトニングをすると歯がもろくなるというのは本当なのでしょうか。
結論、ホワイトニングをしたからといって歯が痛んだりもろくなったりすることはありません。
ホワイトニングをしない方がいいと思われている理由としては、その成分や一時的な症状に関係していると考えられます。
ホワイトニング剤の主成分である過酸化水素(オキシドール)は、高い濃度で肌に触れると炎症の原因となります。こうした成分が含まれているため、「ホワイトニングをすると歯が痛む」といったネガティブなイメージが広まったのでしょう。
しかし、過酸化水素を用いたホワイトニングは歯科医師でしか扱えず、用法用量をきちんと守って使用されるため、歯を痛める心配はありません。
ホワイトニングで歯が白くなるメカニズム
そもそも、歯はどのようなメカニズムで白くなるのでしょうか。
ホワイトニング剤に含まれる過酸化水素は、歯の表面の色素を分解する働きがあり、これにより歯の色が明るくなります。また、この成分にはエナメル質の構造を角状から球状に変化させることで光の乱反射を起こし、象牙質の色が透けるのを防ぐ効果(=マスキング効果)もあります。これによりさらに歯を白く見せることができるのです。
ホワイトニングで注意すべきリスクとは
ホワイトニングは、歯を白くできる一方で以下のようなリスクをともなうのも事実です。
- 歯がしみやすくなる(知覚過敏)
- 歯肉が痛む
歯がしみやすくなる(知覚過敏)
ホワイトニング後、冷たいものや熱いものがしみやすくなることがあります。
これはホワイトニング剤の効果により外部の刺激が歯の内部の神経に直接影響を与えやすくなり、知覚過敏を引き起こしていることが原因です。
痛みには個人差がありますが、多くの場合、数時間〜数日で緩和していきます。もし痛みが1週間以上続くようであれば歯科医師に相談しましょう。
ホワイトニングと知覚過敏の関係については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
ホワイトニングで知覚過敏になる5つの原因!対処法や予防法を解説
歯肉が痛む
歯科医院でおこなうオフィスホワイトニングでは、歯以外にホワイトニング剤がつかないよう、あらかじめ歯茎や唇を保護してから施術をしています。しかし、稀にホワイトニング剤が歯肉に触れて薬剤焼け(ケミカルバーン)を引き起こすことがあります。この炎症も痛みをともなう場合がありますが、数日で自然に回復することがほとんどです。
また、自宅でおこなうホームホワイトニングの場合はホワイトニング剤の濃度が低いため、基本的に炎症の心配はありません。ただし、ホワイトニング剤を使いすぎると、溢れた薬剤が歯肉に付いて痛みがでることも。決められた量を守り、薬剤が漏れた場合はすぐに拭き取りましょう。
ホワイトニングがおすすめできない人の特徴
体質や口腔内の状態により、ホワイトニングの施術自体がNGとされる場合や注意が必要な場合があります。以下に詳しく説明します。
ホワイトニングができない人
以下に当てはまる人は、ホワイトニングができません。
- 妊娠中・授乳中の人
- 無カタラーゼ症の人
- 光線アレルギーの人
- 18歳未満の人
特に無カタラーゼ症の人のホワイトニングは絶対的禁忌とされているため、決しておこなわないでください。
なお、光線アレルギーの人は光を使わないホームホワイトニングであれば可能です。
ホワイトニングができない人については以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
【徹底解説】ホワイトニングができない人や効果がない人の特徴とは?
ホワイトニングで注意が必要な人
ホワイトニングが禁止されているわけではありませんが、避けたほうが良いケースもあります。以下に該当する方は、ホワイトニングを検討する前に特別な注意が必要です。
- 虫歯・歯周病の人
- 知覚過敏のある人
- 嘔吐反射・呼吸器疾患のある人
虫歯・歯周病の人
虫歯や歯周病を患っている人は、痛みや炎症を引き起こす可能性が高いです。ホワイトニングをする前に治療を優先しましょう。
知覚過敏のある人
すでに知覚過敏を発症している人は、ホワイトニングの薬剤が患部にしみて痛みが出やすいです。
そのため、先に知覚過敏を完治させることが望ましいでしょう。
ただし、知覚過敏の人でもホワイトニング剤の濃度を下げることでホワイトニングができる場合もあるので、一度歯科医に相談してみてください。
嘔吐反射・呼吸器疾患のある人
嘔吐反射が強い人や呼吸器疾患を持つ人は、ホワイトニングにより症状が誘発される可能性があります。
嘔吐反射がある場合、マウスピースを使用するホームホワイトニングは不向きです。
呼吸器疾患のある人は、ホワイトニング時に発生する微量のガスによって喘息などの発作を引き起こすことがあります。
これらの症状をお持ちの方は、事前に歯科医に相談しましょう。
ホワイトニングで効果を感じにくい人
以下のような人は、ホワイトニングをしても効果を十分に得られない可能性があります。
- フッ素コーティングしている人
- ホワイトスポットのある人
- テトラサイクリン歯の人
- 無髄歯や失活歯がある人
- 詰め物や人工歯がある人
フッ素コーティングしている人
フッ素は歯を強化するために用いられますが、同時にその表面を保護することから、ホワイトニング剤が浸透しにくくなります。
フッ素コーティングは、ホワイトニング後にするのがおすすめです。
ホワイトスポットのある人
ホワイトスポットとは歯にできる白い斑点のことです。ホワイトニングをおこなうと、このスポット部分がさらに白くなる恐れがあり、全体としての色の均一性が失われることがあります。
ホワイトスポットがある場合は、ホワイトニング後に周りの歯の色に合わせて治療することをおすすめします。
テトラサイクリン歯の人
テトラサイクリン歯とは、テトラサイクリン系抗生物質により変色した歯のことを指します。
この変色は歯の内部に起こるため、表面的なホワイトニングで効果を期待するのは難しいとされています。
ただし、まったく効果がないわけではありません。変色の度合いによっては、ホワイトニングを繰り返すことで徐々に改善していくことが可能です。
無髄歯や失活歯がある人
歯の神経が存在しない無髄歯や神経が反応しない失活歯は、神経がないことで黒っぽくなることがあります。この変色は、通常のホワイトニングで白くすることはできません。
失活歯を白くしたい場合は、ウォーキングブリーチという歯の内面からおこなうホワイトニングか、被せ物やラミネートベニアといった処置が必要です。
詰め物や人工歯がある人
ホワイトニング剤は、神経が生きている天然歯にのみ有効です。そのため、詰め物・被せ物・インプラントなど人工で作られた歯はホワイトニングで白くなりません。
ホワイトニングのデメリット
ホワイトニングで後悔しないために、次の5つのデメリットも押さえておきましょう。
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- 歯を「真っ白」にすることはできない
- 効果には個人差がある
- 効果が永久に続くわけではない
- 定期的なメンテナンスが欠かせない
- 自由診療の扱いとなる
ホワイトニングのデメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
ホワイトニングのメリット
もちろん、ホワイトニングにはデメリットだけでなくメリットも多く存在します。そこで今回は、以下4つのメリットについて解説していきます。
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- 見た目の印象を変えられる
- 短期間で歯を白くできる
- セラミックに比べて安価
- 虫歯予防になる
見た目の印象を変えられる
歯の白さは、人との対面時に大きな影響を持つと言われています。きれいな白い歯は、清潔感や健康的なイメージを与え、相手に良い印象を持たせられるでしょう。
また、歯が白くなることで、笑顔をさらに見せたくなるといった、自身の自信や自己評価が向上する効果もあります。
短期間で歯を白くできる
ホワイトニングは、短期間で効果を実感できることが最大のメリットといえます。
オフィスホワイトニングであれば、1回の治療で数トーン歯の白さを向上できます。この即効性は、特別なイベント前など、短期間での効果を求める人におすすめです。
また、適切なアフターケアをおこなうことで、ホワイトニングの効果を長期間維持することが可能となります。
セラミックに比べて安価
同じく歯を白くする治療法として挙げられるセラミックは、1本あたり十数万円と高額です。
ホワイトニングが安価であるわけではありませんが、セラミックと比較すると初期投資は抑えられるでしょう。
虫歯予防になる
意外にも、ホワイトニングは虫歯の予防効果も期待できるといわれています。
ホワイトニング後はフッ素を取り込みやすくなることから、歯の再石灰化を促進し、歯を強化する効果があります。この効果により、虫歯の発生リスクが低減できるのです。
また、ホワイトニングをすると自身の歯に対するケア意識が高まります。この結果、日常のブラッシングやデンタルフロスの使用頻度が増え、口腔内の健康が向上するといった側面もあります。
まとめ
今回は「ホワイトニングはしないほうがいい」といわれている理由について解説しました。
ホワイトニングは歯がしみやすくなるようなリスクはありますが、噂されているような危険性はありません。また、正しく治療を受ければ大きな効果を期待できます。
ただし、口腔内の状況や体質によって避けた方がいい場合や思うように効果が得られない可能性もありますので、ホワイトニングを受けて問題ないか、事前に歯科医院で相談することをおすすめします。
中葛西歯科では、主にオフィスホワイトニングと補助でホームホワイトニングを提供しています。「歯を白くしたい」「歯を見せることに自信を持ちたい」とお考えの方は、ぜひ中葛西歯科までご相談ください。