「銀歯が目立ってしまい、笑うのが恥ずかしいため、見た目を改善したい」
「銀歯を白い詰め物や被せ物に替えたいが、どの治療法が最適か知りたい」
「銀歯による金属アレルギーや体への影響が心配で、安全な治療法を探している」
20代の方で銀歯がある方のなかには、上記のようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
審美性の高い治療法として、コンポジットレジン、レジン前装冠、CAD/CAM冠が挙げられます。この記事では各治療法の特徴や費用、治療期間を解説しています。
20代で銀歯だらけになる原因や、歯科医院を選ぶ際のポイントもご紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
20代で銀歯だらけになる原因
20代で銀歯だらけになる原因は、以下の5つです。
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- 虫歯になる
- 歯磨きが十分にできていない
- 糖を頻繁に摂取する
- 歯並びが悪い
- 歯医者に通う習慣がない
1つずつ解説します。
虫歯
虫歯は、20代で銀歯が増える原因の1つです。虫歯の原因菌が食べ物の糖をえさに酸を出し、その酸が歯を溶かすことで穴が開きます。一度できた虫歯は自然に治らないため、悪くなった部分を削って詰め物で補う治療が必要です。
以前、保険治療の詰め物に銀歯がよく使われていたため、若くして銀歯が多くなるケースがあります。
歯磨きが十分にできていない
歯磨きがきちんとできていないと、虫歯の原因となるプラーク(歯垢)が残り、銀歯が増える原因になります。奥歯の溝や歯と歯の間、歯茎の境目などは磨き残しが多いため、注意が必要です。
しっかり磨いたつもりでも、汚れを取り切れていない場合もあります。正しいブラッシング方法を知るには、歯科医院での指導を受けるのが効果的です。磨き方を見直し、虫歯を予防しましょう。
糖を頻繁に摂取する
砂糖を含むお菓子やジュースを頻繁に口にすると、虫歯の原因菌が酸を出し、歯が溶けるため、虫歯のリスクが高まります。通常は唾液が歯を修復してくれますが、食べる回数が多いと修復が間に合いません。結果的に、虫歯ができやすくなり、銀歯が増えます。
歯を守るためには、砂糖を含む飲食物を控えたり、食後は歯を磨いたりするのが大切です。
歯並びが悪い
歯並びが悪いと、歯ブラシが届きにくい部分が増えるため、虫歯になりやすくなります。歯が重なっていたりデコボコしていたりすると、プラーク(歯垢)が溜まりやすくなり、毎日の歯磨きでは汚れを完全に取り除くのが困難です。
その結果、虫歯ができやすくなり、銀歯の治療が増えます。
歯間ブラシやフロスの活用や、矯正治療で歯並びを整えるのも効果的です。
歯医者に通う習慣がない
歯医者に定期的に通う習慣がないと、虫歯に気づくのが遅れ、銀歯が増える原因になります。20代は歯科検診の受診率が低く、虫歯が進行してから治療するケースが多いです。
予防目的の通院した場合、歯石や汚れを落としてもらえるだけでなく、虫歯の早期発見・早期治療につながります。
虫歯の悪化を防ぐためには、定期的な歯科検診を受けるのが大切です。
以下は、厚生労働省が令和4年に実施した歯科検診を受診している者の割合を年齢・性別別に表したグラフです。
キャプション引用:厚生労働省 令和4年歯科疾患実態調査結果の概要
銀歯を放置するリスク
銀歯を放置するリスクは、以下の5つです。
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- 見た目に悪影響をおよぼす
- 銀歯の下で虫歯が再発する
- 金属アレルギーが発症する
- 歯や歯茎が黒く変色する(メタルタトゥー)
- 銀歯に使用されているアマルガム(水銀)への懸念がある
それぞれ解説します。
見た目に悪影響をおよぼす
銀歯は口を開けたときに金属の色が目立つため、見た目に悪影響を与えます。
人と接する機会が多い20代では、銀歯が見えるのにコンプレックスを感じる方も少なくありません。実年齢よりも老けて見られたり、清潔感に欠ける印象を持たれたりする場合もあります。笑うときに手で口を隠してしまう方もいるでしょう。
銀歯は、見た目の悩みが日常生活に影響するリスクがあります。
銀歯の下で虫歯が再発する
銀歯を長く使い続けると、詰め物と歯の間に隙間ができやすくなり、隙間から細菌が入り込んで内部で虫歯が再発するリスクがあります。外から見えづらく、気づいたときには虫歯がかなり進行しているのも珍しくありません。
再治療ではさらに歯を削るため、歯の寿命を縮めてしまう可能性も。
虫歯を防ぐためには、銀歯の状態を定期的にチェックしてもらうのが重要です。
金属アレルギーが発症する
銀歯に含まれる金属が体内に取り込まれると、金属アレルギーを引き起こすリスクがあります。唾液によって金属が溶け出し、手や足に湿疹が出たり、痒みが出たりする場合もあります。
原因がはっきりしない体調不良がある方は、銀歯が関係しているかもしれません。早めに、皮膚科医や歯科医師に相談しましょう。
歯や歯茎が黒く変色する(メタルタトゥー)
銀歯を長く使い続けると、金属イオンが溶け出して歯茎や歯に沈着し、黒ずみが現れる「メタルタトゥー」のリスクがあります。これは自然には消えず、刺青のように色が残るのが特徴です。
このリスクを避けるには、金属を含まないセラミックやジルコニアなどに交換するのが効果的です。
銀歯に使用されているアマルガム(水銀)への懸念がある
昔の銀歯には水銀が含まれており、その安全性を心配する声があります。日本では2016年以降、保険適用外になりましたが、10代のころに治療した歯に水銀が使われている20代の方もいるかもしれません。噛む力や摩耗によって水銀が微量に気化し、体に取り込まれる恐れもあります。
健康への影響は議論がありますが、不安を感じる方は、白い素材への交換を検討しましょう。
白い被せ物・詰め物を使用する治療法
白い被せ物・詰め物を使用する治療法は、以下の3つです。
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- CAD/CAM冠
- コンポジットレジン
- レジン前装冠
それぞれ詳しく見ていきましょう。
CAD/CAM冠
CAD/CAM冠は、歯科技術を活用してセラミックやジルコニアなどのブロックをコンピューター制御で削り出す、高精度な白い詰め物・被せ物です。
保険適用のCAD/CAM冠もありますが、使用できる歯や素材に制限があります。一方で自由診療なら、自然な透明感を持つオールセラミックや、奥歯に適した高強度のジルコニアなどを選べるため、見た目と耐久性に優れた素材を選択できます。
CAD/CAM冠は、金属不使用でアレルギーの心配もなく、体にやさしい治療法です。
コンポジットレジン
コンポジットレジンは、白いプラスチックを直接歯に詰めて固める、比較的手軽な治療法です。保険適用の場合が多く、小さな虫歯や銀歯の交換なら短時間で処置が完了できます。
ただし、強度があまり高くないため、奥歯といった強い力が加わる部分には向きません。また、年数が経つと変色しやすいです。
自然な美しさと長持ちする治療を希望する方には、CAD/CAM冠の自費素材がおすすめです。
レジン前装冠
レジン前装冠は、金属の土台に白いプラスチックを貼り付けた保険適用の被せ物で、主に前歯に使われます。費用を抑えられるのがメリットですが、表面のプラスチックは変色しやすく、長期間使用すると見た目の劣化がでやすいです。金属が露出することもあり、審美性を損なう場合も。
見た目の美しさや金属を使わない安心感を重視する方は、自費でおこなうオールセラミック製のCAD/CAM冠がより高品質で満足度の高い治療法です。
【治療法別】費用・期間・見た目の比較
以下で、CAD/CAM冠、コンポジットレジン、レジン前装冠の費用・期間・見た目を解説します。
費用で比較する
費用面では、コンポジットレジンやレジン前装冠が保険適用で安価に治療できるため、初期費用を抑えたい方に向いています。
一方、自費診療のCAD/CAM冠は、素材や技術に優れる分、費用は高めです。
ただし、安価な治療は変色や破損が起きやすく、再治療が必要になる場合があり、長期的に見ると費用がかさむ場合もあります。
初期費用だけでなく、将来的なメンテナンス費用も含めて治療法を選びましょう。
耐久性・寿命で比較する
耐久性を重視するなら、自費のCAD/CAM冠がおすすめです。とくに、ジルコニアは金属のような強度があり、奥歯のように力がかかる場所でも長持ちします。
保険適用のコンポジットレジンやレジン前装冠は、時間とともにすり減ったり、割れたりするリスクが高く、数年ごとの再治療が必要になるかもしれません。
1回の治療でできるだけ歯を長持ちさせたいと考える方は、自費のCAD/CAM冠を検討しましょう。
見た目の美しさで比較する
見た目を重視する場合、自費のCAD/CAM冠が最適です。使用されるセラミックやジルコニアは、自然な透明感と光の反射を再現できるため、本物の歯のように仕上がります。保険適用のレジン系素材は、時間とともに変色しやすく、長期間の美しさを保つのが困難です。
とくに笑顔に自信を持ちたい20代にとっては、見た目の印象は重要です。自然な口元の印象を求める方は、自費のCAD/CAM冠がおすすめです。
【各治療法の特徴まとめ表】
以下は、CAD/CAM冠、コンポジットレジン、レジン前装冠の特徴をまとめた表です。
治療法 | CAD/CAM冠 | コンポジットレジン | レジン前装冠 |
---|---|---|---|
見た目の自然さ | 保険適用は単調な白 自費のセラミックは極めて自然 |
白いが、経年で変色しやすい | 表面は白だが裏は金属 経年で変色する |
強度・耐久性 | 中〜高程度 自費のジルコニアは強度が高い |
比較的強度は低い 奥歯には不向き |
中程度 |
寿命の目安 | 約5年~10年 | 約2年~3年 | 約2年~3年 |
歯1本あたりの費用相場 | 保険:約6,000円~10,000円 自費(セラミック):約55000円~150,000円 自費(ジルコニア):約70,000円~200,000円 |
保険:約1,500円~3,000円 自費:約30,000円~50,000円 |
保険:約5,000円~8,000円 自費:約5,000円~10,000円 |
治療期間の目安 | 約2日~1週間 | 約1日 | 約2週間~2カ月 |
金属アレルギー | 心配なし | 心配なし | リスクあり |
歯を削る量 | 多い | 少ない | 多い |
歯科医院によって取り扱っている素材や費用が異なります。詳細は歯科医院にお問い合わせください。
後悔しないための歯科医院の選び方
被せ物・詰め物をおこなう歯科医院を選ぶ際のポイントは、以下の3つです。
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- 治療実績が豊富にある
- 医療設備が充実している
- 丁寧なカウンセリングや説明をおこなっている
1つずつ解説します。
治療実績が豊富にある
歯科医院を選ぶ際は、治療実績が豊富にあるかが重要です。さまざまな症例に対応してきた経験は、歯科医師の高い技術力や判断力につながります。
銀歯を目立たなくする審美治療や、金属を使わない素材の扱いに慣れている歯科医師なら、より精度の高い仕上がりが期待できます。
公式サイトで症例写真を確認したり、口コミから実際の利用者の声を参考にするのもおすすめです。
医療設備が充実している
安心して治療を受けるには、最新の医療設備が整っている歯科医院を選ぶのが大切です。CAD/CAM装置やデジタルレントゲン、口腔内スキャナーなどが導入されている医院では、より精密な診断と治療が可能になります。銀歯を目立たない素材に変える場合は、歯との適合性や噛み合わせの調整が重要です。
設備が整っている歯科医院の場合、見た目や機能面で満足できる仕上がりになる可能性が高いです。
丁寧なカウンセリングや説明をおこなっている
後悔のない治療を受けるためには、丁寧なカウンセリングや説明をおこなっている歯科医院を選ぶのがポイントです。
丁寧なカウンセリングをおこなっている歯科医師は、患者の希望や悩みにしっかり耳を傾け、複数の治療法や素材の違い、費用や期間を詳しく説明してくれます。「なぜその治療が必要なのか」「ほかにどんな選択肢があるのか」をしっかり理解できると、納得して治療に進めます。
不安や疑問を相談しやすい歯科医院を選びましょう。
まとめ
20代で銀歯が多い悩みは、適切な治療を選べば解決できる問題です。
治療法には、CAD/CAM冠、コンポジットレジン、レジン前装冠があり、機能性や審美性を両立する方法が選べます。
治療法ごとに費用や耐久性が異なるため、ご自分の優先したいものを明確にするのが大切です。
銀歯を白い被せ物・詰め物に変える治療法でお悩みの方は、お気軽に歯科医師へご相談ください。
当院では、丁寧なカウンセリングで一人ひとりに合わせた審美治療をご提供しています。「歯を白くしたい」「被せ物や詰め物を相談したい」などお考えの方は、ぜひ中葛西歯科までお気軽にご相談ください。